日本に進出している中国太陽電池メーカー大手、レネソーラー(昱輝陽光、ReneSola)は3日、日本での太陽光モジュール販売及びアフターサービスを含むすべての業務を9月末に、中国本社に移管すると同ウェブサイトで発表した。
産経新聞(11月26日付)によると、11月初旬にレネソーラ・ジャパンとの連絡が取れない状態が続いていた。東京都千代田区西神田に同社が入るビルには従業員の姿がみられず、ガランとしていた。事前通知なしに日本から撤退した可能性が高いとみられる。日本支社には40人の従業員がいた。
親会社は約1カ月後に日本から事業撤退に関するアナウンスを行った。産経新聞によると、一部の取引関係者からは「不誠実ではないか」と批判があがった。
中国メディアによると、親会社のレネソーラは10月上旬にすでに、太陽電池関連生産から撤退し、発電所開発事業を中心に展開していくと発表した。
レネソーラは中国浙江省で2005年6月に設立された。創業者の李仙寿氏は当時、多結晶シリコンに代わって、シリコン廃材をリサイクルし利用して太陽電池に必要なシリコンウェハを生産した。この生産方法が「画期的」だとしてと国内で話題になり、受注が舞い込んできた。1年後の06年に、同社の生産能力は648トンの3200万枚シリコンウェハまで拡大した。生産した太陽電池の年間出力値は80兆ワットとなった。
創業からわずか1年2カ月後の06年8月、英ロンドン証券取引所の新興企業向けの「AIM市場」に上場した。08年1月米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場を果たし、1億3000万ドル(約146億円)の資金を調達できた。その後、レネソーラは、国内で同業他社に対して買収・合併を通じて、太陽電磁モジュールの組み立てと販売など、中国国内業界で垂直統合型大手まで著しく成長を遂げた。アメリカや日本など10数カ国にも進出を加速化していた。
しかし、近年国内外太陽光パネル市場の過剰生産、価格下落などで、同社の収益が急速に低迷した。株価が2カ月連続1ドル以下に急落したため、NY証券取引所が昨年11月、レネソーラーに対して株式上場の廃止を警告し、6カ月の猶予期間を与えた。
同社2016年業績報告書によると、同年の営業収益は前年比の27.5%減の9億2900万ドル(約1041億円)で、赤字額は3470万ドル(約39億円)に達したと示された。17年1~3月期の赤字額は2320万ドル(約26億円)で、売上総利益率はわずか1.1%となった。4~6月期の赤字額は3150万ドル(約35億円)に拡大した。レネソーラは、NY証券取引所での株式上場を廃止し、国内株市場で上場し資金調達を行う公算が高いという。
また16年、同社の事業はおもに、シリコンウェハ生産(29.3%)、太陽光モジュール組み立て事業(61.5%)と発電所開発事業(9.2%)に大別されている。
今後、同社が発電所開発事業に注力していくとしているが、大幅な増益につながるのかは不透明だとみられる。
(翻訳編集・張哲)
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