中国のインターネット上で最近、ある証券会社の内部文書とみられる社員行動規範ガイドライン(試行版)が話題になっている。 同ガイドラインは社員に「裕福な生活を誇示しないように」と求めている。背景には「共同富裕(ともに豊かになる)」というスローガンのもとで、大手IT企業や芸能人が相次ぎ罰金処分を受けたことがあるとみられる。
「SNSなどで収入を公開したり、贅沢な生活を見せたりしない」「職場でハイブランドを身につけない」「出勤時、高級車に乗らない」。ガイドラインは細かく要求している。
ハイブランドについて、高級車(100万元以上、約1800万円)、高級腕時計(15万元以上、約270万円)、高級バッグ(5万元以上、約90万円)などと明確な価格基準をあげた。
理由について、「現在の社会情勢に合わせる」「会社、さらには業界全体にマイナスの影響を及ぼさないためだ」と記した。
中国メディアの報道によると、証券会社に勤務するアナリストと名乗る人物が1月6日、SNSで224万元(約4032万円)の給与明細を投稿し、物議を醸した。投稿によると、もっとも低い月の給与は約6万元(約108万円)、年間62万元(約1116万円)の税金を納めている。ネットで炎上してから、投稿主は事実ではないと火消しに出た。
習近平政権は昨年、共同富裕の方針を打ち出した。アリババ集団など巨大IT企業に対する独占禁止法違反を理由とした罰金徴収、芸能人に対する税務調査強化や罰金徴収、富裕層の財産に対する課税強化を行なった。経済成長とともに拡大する格差を是正する狙いがある。
中国財政部の劉昆部長(大臣)は昨年12月28日、機関メディアに発表した記事で、「倹約を実行せよ」と呼びかけた。
(翻訳編集・叶子静)
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