中国で「国家政権転覆罪」で拘束された台湾NGO活動家の李明哲さんが15日、台湾に戻った。李さんはSNSで声明を発表し、自分の救出に尽力してくれた国内外の人々や団体に謝意を表明した。
李さんは 2017年3月下旬に中国広東省に入国してから消息が途絶えた。同年8月、中国当局は李さんに「国家政権転覆罪」で懲役5年の実刑判決を言い渡した。
李さんは15日午前に台湾の桃園空港に到着した。その後、フェイスブックに声明文を投稿し、「私たち家族の苦しみは終わりましたが、中国にはまだ人権を侵害された人々が大勢おり、彼らがいつか解放されますように」と述べた。
アムネスティ・インターナショナル台湾支部を含む23の市民団体からなる「李明哲救援チーム」は15日に発表した声明で、李さんは中国の人権と市民社会に対する懸念をインターネットに投稿しただけで、いかなる罪も犯しておらず、通常の国であれば犯罪にはならないと、李さんの無罪をあらためて主張した。
声明によると、李さんは刑務所で腐った食物を食べさせられたり、防寒着を捨てられたり、通信権を制限されたという。声明は「今後も、李さんの心身のケアーを見守っていく」とした。
林昶佐・立法委員(国会議員)は李さんだけでなく、多くの台湾人、カナダ人、アメリカ人、ヨーロッパ人、スウェーデン人、オーストラリア人が中国で不当に収監されていると述べた。
「人権公約施行監督連盟」の幹部によると、李さんのほか、4人の台湾人が中国のテレビ放送で公開自白を強制され、後にスパイ罪で実刑判決を受けたという。
台湾人権促進会の施逸翔・事務局長によると、台湾、香港、米国、カナダなどの国民が中国で人権侵害を受け、救出が必要な事案は402件以上ある。
(翻訳編集・叶子静)
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