今月16日、広東省掲陽市に住む女性(27歳)が、夫の一家から長期にわたる精神的虐待を受けた末、飛び降り自殺をした。ネット上で、この事件は「いじわる姑(悪婆婆)事件」などと呼ばれている。
地元民が、夫の家に生卵を投げつける
中国メディアに対して、地元警察は「自殺の原因は、女性が鬱(うつ)を患っていたことだ。噂になっている家庭内の精神的虐待とは関係がない」と主張した。
しかし、事情を知る地元住民は、警察の主張を信じなかった。飛び降り事件から3日経った19日の夜、自殺した女性が長期にわたりハラスメントを受けてきたことに憤慨した大勢の市民が自発的に集まり、女性の夫の家の門前で罵声を浴びせ、生卵などを家のドアに投げつけた。
その間、地元警察は、死亡した女性のために怒りの声を上げる市民のライブ配信などを封鎖した。
事件現場には一時、野次馬もふくめて、怒った民衆千人以上が集結したという。民衆が去った後、夫の家の前には割れた生卵や投げられたゴミが散乱していた。
女性側の「用意」に不満だったのか?
事件に詳しいとみられるネットユーザーによると、自殺した女性は昨年結婚し、生後3カ月になる子供をもつ母親だという。
結婚当時、女性側の家族は嫁ぎ先に「嫁入り道具」という名目の持参金、18.8万元(約385万円)を渡していた。
中国人の結婚においては、一般的に男性側が「お金、家、車」を用意することが多いが、その逆に、女性側がそれらを用意するケースもないわけではない。今回の事例は「女性側が用意する」だったらしい。
しかし夫の母親である姑(しゅうとめ)は、女性側が「持参金」は渡したものの、車と家を用意しなかったことをずっと不満に思っていたという。
それを根にもってか、姑は、女性(嫁)が出産直後であってもエアコンを使わせなかったり、無理やり家事や荷造りなどの重労働をさせたりもした。
女性は、姑ら夫一家の長年にわたる「いじめ」に耐えられなくなり、集合住宅の19階から飛び降りたという。
(女性に同情する大勢の地元民が、夫一家の住む住宅前に集結して、ゴミや生卵を投げつけた)
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