台湾は防衛力を強化し、中国との能力差を埋めるため、ドローン技術向上を目指す意欲的なプログラムを開始した。 このプログラムの下で、台湾は海外の提携国との協力、国内企業が持つ専門知識の活用、民間企業による軍事用途の高度な無人航空機の開発・製造の奨励など、多角的な戦略に着手している。
ロイター通信によると、台湾の無人航空機の数は数百機で、4種類の無人航空機が含まれているという。これに対して中国は、地上部隊で使用される小型のクアッドコプターからジェットエンジン駆動の長距離偵察機まで、50種類以上の無人航空機を数万機保有していると推定されている。
中国共産党は台湾を自国の領土と主張し、武力で併合すると脅しているが、自治領である台湾が中国の一部になったことはこれまで一度もない。
台湾の蔡英文総統は2022年、台湾の無人航空機能力を大幅に向上させる戦略計画を発表した。 最新の取り組みでは、台湾軍の強力な支援を受けて、国内民間ドローンメーカーと航空・航空宇宙企業が協力している。
政府文書によれば、その目標は2024年半ばまでに3,200機以上の軍用無人航空機を製造することだ。 重さ2キログラム以下の小型機から、航続距離150キロメートルの大型偵察機まで、さまざまな種類の無人航空機が製造される予定だ。 研究開発には民間企業が参加する。
2023年9月中旬に開催された台北航空宇宙防衛工業展では、数十社の地元ドローン企業が自社の技術を紹介した。 例えば、サンダー・タイガー・グループは、航続距離400kmの遠隔操縦式の海上配備型または地上配備型の偵察ヘリコプターのコンセプトを発表した。 また、ジオサット社はフォーチュニオジャパンと共同開発したカウンタードローンシステムを披露した。
ウクライナは侵入してきたロシア軍に対してドローンを使用して成功を収めている、と「スウォームトルーパー:小型ドローンが世界を征服するとき」の著者であるデビッド・ハンブリング氏がFORUMに語った。 台湾の取り組みについて同氏は、「これはまた、軍事用と民間用のドローン産業を、国内使用と輸出の両方で構築する重要な一歩となる可能性があり、大きな政治的資産となり得る」とし、 「長期的に見れば、自国の産業があるということは、ドローンに費やされるすべての資金が国内に留まり、経済を活性化させることになる」と述べた。
台湾は国内の生産強化に加えて、ドローン能力を強化するために海外の提携先とも協力している。 台北航空宇宙防衛工業展で台湾は、英国を拠点とするフライバイ・テクノロジー社と、フライバイ社のトルコのパートナーであるフライブロス・テクノロジー社製の戦闘用無人航空機「ジャッカル」160機を輸入することで合意した。
「ジャッカルは台湾に非常に有用な戦術的能力、つまり低コストで攻撃可能なドローンを提供する」とハンブリング氏は説明し、 「軽量多目的ミサイル(LMM)やそれに類するミサイルで武装したジャッカルは、戦場のさまざまな標的を破壊することができる」と述べた。 また、中国の防空システムを混乱させ、有人・無人の航空機による連携攻撃の道を開くことにも使える、と同氏は付け加えた。
垂直離着陸ドローンは、空軍基地から運用する必要がないため、同島への侵攻で想定される初期攻撃の波に対する防御力を高めることができる、とハンブリング氏は語る。
フライブロス・テクノロジー社によると、最高時速160km、高度4,000mまで飛行可能なジャッカルの開発は2022年初頭に開始された。
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