預金凍結されて700日 抗議者200人、当局に拉致されて行方不明に=中国 河南

2024/02/01 更新: 2024/02/01

河南省の地方銀行へ市民が預金した全額が不当に凍結されてから、すでに700日を超える月日が経つ。銀行側は、預金者の「お金を返して」という切実な要求に、一切応じていない。

先月28日、預金を凍結された200人近い預金者が預金の返却を求めるため河南省へ赴いたところ、現地警察などの当局者によって高速鉄道駅から拉致されたことがわかった。

200人近い預金者は、今も行方不明だという。同様の拉致は、鉄道駅だけでなく、国内線の空港でも行われた模様だ。

「演習」を口実に、200人を拉致

今回、当局は「緊急演習」を口実に、高速鉄道駅に着いた預金者に対する弾圧を行った。それは、法的手続きが一切ない「無実の市民200人の拉致」である。

拉致現場となった駅では、預金者による叫び声や悲鳴が響き渡った。「(抗議するために)線路へ飛び降りた預金者もいる」とネットでは噂になっている。

(「緊急演習」を口実に、預金者に対する弾圧を行う当局)

預金者の1人、沈龍さん(仮名)によれば、「この日、全国数十の省からやってくる河南省地方銀行の預金者約200人は、預金の返却を求めて高速列車や飛行機などを使って河南省入りした。しかし、飛行機や列車を降りてすぐ、河南省警察によって不法に監禁され、それぞれの携帯電話を奪われた。現在、みんな連絡を取れない状態だ」

河南省へ向かったきり、連絡が取れなくなった預金者の家族は、何度も警察に通報して行方不明の家族の行方を尋ねるものの、河南省警察からの返事はないとう。

沈龍さんは、不当な預金凍結が河南省政府の指示のもとで行われているとして、次のように述べた。

「昨年、河南省のGDPは暴落した。財政難の河南省政府は、なんとか資金を調達する必要があった。そのため省政府は、銀行預金者の預金を横領し、預金者に『違法な資金集めに参加した』とありもしない罪名をつけるよう裁判所に指示した。河南省の裁判所は今月9日、預金者が『違法な資金集めに参加した』ことを認めれば、預金の一部を返却すると主張している」

言うまでもなく、預金者が「違法な資金集めに参加した」などの事実はない。

(2024年1月28日、高速鉄道駅に着いたところを、拉致される預金者たち)

「預金凍結」から、すでに700日超

河南省と安徽省の複数の銀行は2022年4月中旬以降、顧客の全ての預金を凍結した。他省からの大口預金者は千人以上いるが、今も自分の預金を引き出すことができないでいる。

この問題をめぐり、これまでにもたびたび預金者が集まって抗議活動を行ってきた。しかし地元当局は、抗議者への暴力をふくむ逮捕や不法監禁、抗議活動の妨害など、容赦ない弾圧を行っている。

中国のSNS上に拡散された抗議現場とみられる動画の中には、警官のほか当局が手配したとみられる男たちが、こん棒を振るって預金者を殴りつけるなど、妊婦や体の不自由な抗議者にも容赦なく、無差別に暴行している場面があった。

そうした預金者なかには2年近く、預金を一銭も引き出せない人もいる。そのために困窮し、今では市場で捨てられる菜っ葉などの「野菜のクズ」を拾って食いつなぐ人さえいるという。

また、預金を引き出せないために、ガンの母親の治療費が払えず「母親が死んでゆくのを、ただ見ているしかなかった」という人もいる。

預金凍結の被害を受けた人のなかには、中小企業の経営者も多かった。そのため、預金を引き出せないことで資金難に陥り、倒産する企業も少なくないという。

ガンを患った浙江省紹興市の預金者は、治療費がないため病院で治療することができず、先週、病死した。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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