このほど、内モンゴル自治区フフホト市にある口腔医院の看護師40人数名が一斉に解雇されたことが注目され、中国SNS上で話題となっている。
解雇された看護師らは約4年前に病院が社会に向けて一般募集を通じて採用された人たちで、採用当時は筆記試験のほか面接や身体検査をクリアし、3年間病院務めしてきた。
「私たちは理由もなく解雇されたんです。納得がいきません」と訴える同院の看護師・王さんの話を引用してこの件を取り上げた中国メディアによると、「看護師らは雇用期間中、病院側とはいかなる雇用契約も結んでいない。また病院側は雇用期間中、彼らのために社会保険の支払いも一切行っていない」という。
王さんは、2020年3月フフホト市にある口腔医院の一般募集を通じて採用され、同年4月から正式に看護師として働くようになった。毎月振り込まれる給料の支払口座は間違いなく病院からであると明かしている。
「私たちは何年も懸命働いてきた。パンデミック期間中では感染者との接触からコロナ検査、ワクチン接種まで何でもやりました。私たちは臨時隔離施設にだって行きました。しかし、いまとなって、何の説明もなく私たちを切り捨てるなんて、不公平です、納得がいきません」と訴えている。
問題となっている口腔病院は13日、「40人余りの看護師は派遣スタッフであり、契約満了による解雇であった」と説明する声明を公式サイトに掲載しているが、病院側の主張に不服な看護師22人が市の労働委員会に対して仲裁申請を出している。
「この件は中国社会における職場に普遍的に存在する搾取を浮き彫りしている」として関連話題が中国のSNS上で熱い議論が巻き起こった。多くのユーザーは、雇用主である病院側の「汚さ」に不満と怒りを表明しており、「正規採用を切り捨てるときには派遣と言い訳にするのは労働者の権利に対する深刻な侵害だ」などの非難が殺到している。
中国の国営通信「中国新聞社」が弁護士の話を引用して、「労働者の権利は労働法で守られており、雇用側は労働者を雇用した後、1ヶ月以内に労働契約を結ぶことになっている。また雇用主が労働者のために社会保険の支払いを行わない場合、労働者は支払うよう要求することができ、関連部門に告発することもできる」と報じている。
「中国新聞社」の記者がフフホト市の口腔医院を訪れて調査を行う際、スタッフに事務所へ連れて行かれ、「少ししたら応対する者が来る」と告げられた後、1時間近く待っても応対者は現れなかったという。
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