夏休みを前にして、多くの中国の学生たちが海外のサマースクールへの参加を希望している。しかし、ある保護者が訴えている問題がある。その保護者の子供は、米国のサマースクールに応募したが、同じ学校の46人の学生が、一斉にビザを取得できなかったのだ。その原因は、事前トレーニングを担当した教師が、生徒たちに虚偽の情報を伝えるよう指導したためだ。
最近、ある保護者がSNSで事態を明らかにした。約7万元の費用を支払い、子供を名門機関が開催する14日間の米国サマースクールに登録した。子供たちは、米国大使館での面接を控えていた。
このサマースクールは7月と8月に分かれたグループで実施され、参加する学生はビザ申請の前日に北京に集まり、該当機関で事前トレーニングを受けることになっている。トレーニングを行った教師は、生徒たちに対して繰り返し「7月のグループである」と述べるよう指示していた。
5月9日に行われたビザ申請面接の際、46人の学生が、3つのグループに分かれたが、それを引率する教師はたったの2人だった。グループの1つは教師を見つけることができず、後に3グループが合流した。その後、教師が生徒たちのパスポートを提出したところ、結果的に全員がビザを拒否されてた。
米国の法律事務所に勤める梁少華氏は、ビザの発給が厳しくなっている現状について、「ビザの発給が厳格化しているのは明らかで、特に中国に対するビザ発給数はここ数年で大幅に減少し、かつての十分の一にまで落ち込んでいる。さらに、中国と米国の間の航空便も、完全には復旧していない状況だ」と述べている。
中国国内からの多くの報告によると、米国のビザを取得するのは一層難しくなっており、拒否されるケースが増えている。よくあるのは、2時間も待たされた末に、たった2分の面接でビザが拒否されるという事態だ。
梁少華氏は、次のように述べている。「私の理解によれば、米国のビザ申請において、嘘をつくことは、間違いなく拒否の理由となる。私が以前担当したケースでは、申請者が嘘をついたことが原因で、ビザが拒否された。米国政府は嘘を非常に重く見ており、一度嘘をついた記録が残れば、その後の信用を失うことになる」
最近、中国人が米国のビザを拒否されたり、国境警備によって国外に送り返されるケースが増えている。
今年3月、中国の報道機関は、過去3年の間に5千人以上の中国人留学生や学者がビザを拒否されたり、送還されたりしていると伝えた。
米国で学ぶ中国人留学生、張俊杰(ちょうしゅんけつ)氏はこう話しています。「現在の米中の緊張関係と中共の影響力拡大を踏まえると、これらの動きは実際に米国の価値観に挑戦している。その結果、米国の大学や政府は、この脅威を非常に深刻に受け止め、中共への警戒心を強めている。これは、米中関係の変化が、中国人に与える客観的な影響の一例です」
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