近年、中国各地で社会報復をはじめとする各種凶悪事件が頻発している。
2月28日午前8時頃の海南省三亜市の町なかにも、市民を手当たり次第に轢き飛ばす「暴走車」が現れた。
その時の様子を捉えた市民撮影の動画のなかには、少なくとも10台の電動バイクのほか、多くのライダーや歩行者らが被害に遭った様子が確認できる。映像のなかには、「みんな逃げろ!」といったパニック状態の市民の声も収録されていた。
歩行者やバイクのみならず、木々や道路標識までなぎ倒した暴走車の運転手の男は下車後も、感情を爆発させており、そこへ交通警察官らしき人物が止めに入った模様。
しかし、関連動画は中国のネットでは封殺に遭っている。
当日夜、現地の公安当局はこの件を「車の操作を誤ったことによる交通事故」と断定し、簡潔な通報を出した。そこには、符容疑者(55歳 男)が無免許だったこと、被害状況は1人が負傷、電動バイク4台の一部が破損したなどと淡々と述べられている。
しかし、当局の主張をめぐっては「現場で撮影された動画のなかの様子と不一致だ」といった反発の声も多く寄せられている。
中国共産党当局は、災害や社会報復など社会の不安を引き起こしかねない事故や事件が起きるたびに一貫して被害情報の隠ぺいを行い、過少報告する傾向があるため、今回の事件による実際の死傷者数も、公式発表をはるか上回る可能性がある。
また、原因については、公式発表では車の操作を誤ったことによる「交通事故」ということになっているが「絶対、社会報復だ」と考える市民も多い。
過去一年の間に社会報復事件が100件近く発生しているという不完全な統計もある。
(現場の様子)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。