1日朝の国内債券市場で、長期金利が一時1.435%まで上昇した。これは前日比で0.015ポイントの上昇となり、債券価格は下落した形だ。指標となる新発10年物国債の利回りがこの水準を付けたのは、日銀が同日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)で大企業・製造業の景気判断が予想を上回って改善したことが主な要因である。
日本銀行が1日に公表した6月短観によれば、大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス13となり、2期ぶりの改善を記録した。この数値は前回調査から1ポイント上昇しており、市場の事前予想(プラス10)も上回った。一方で、大企業・非製造業のDIはプラス34と2期ぶりに悪化した。
製造業の景況感が改善した背景には、価格転嫁の進展による企業収益の増加があるとされる。また、米国の通商政策に起因する不確実性の高まりが一部で業況感の重しとなっているものの、全体としては良好な水準を維持している。
このような経済指標の改善を受けて、債券市場では将来的な金利上昇や金融政策の変更への警戒感が強まり、債券が売られた結果、長期金利が上昇した。市場関係者からは「日銀短観の製造業改善が材料視された」との声が聞かれている。
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