参政党 神谷宗幣代表「高齢女性は子どもが産めない」発言 SNSで賛否分かれる

2025/07/04 更新: 2025/07/04

参政党代表・神谷宗幣(かみや そうへい)氏が7月3日、東京都内での参院選第一声の街頭演説で「高齢の女性は子供が産めない」と発言し、SNS上で大きな議論を呼んでいる。神谷氏は「若い女性が子供を産みやすい社会の実現」を訴え、少子化対策の必要性を強調したが、その表現が「差別的」として一部メディアや市民から批判を浴びた形だ。

神谷氏は演説後の取材で「生物学的な事実だ。医療が発達し40代でも出産できるが、60代や70代は難しい」と説明し、「適齢期の女性が子供を産みたいと思える社会環境作りが重要」との考えを示した。また「これを言うと『差別だ』と言われるが、現実を直視した議論が必要だ」とも述べた。

SNS上では賛否が激しく分かれた。賛成派の中で特に目立ったのは、メディアやリベラル層による「言葉狩り」への反発だ。

言葉狩りとは、特定の言葉や表現が差別的・不適切だとして、過剰な場合、社会的な圧力や批判により使用を禁じたり自粛させたりする現象で、米国や欧州の一部の人々から問題視されている。

保守系著名人や一般ユーザーからは「神谷氏の発言への批判は、過剰なポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)や言葉狩りであり、少子化という国家の危機を直視する議論を妨げている」「発言は問題提起として必要だ」といった声が多く拡散された。こうした主張は、参政党の「反主流メディア」や「日本人ファースト」といったスタンスとも重なり、保守層を中心に共感を集めている。

また、伝統的な家族観や出産の重要性を再確認する意見も見られた。「神谷氏は家族を大切にする日本の価値観を反映している」「フェミニズムの行き過ぎが家族構造を壊し、少子化を加速させた」といった声が多く、伝統重視の層で広く支持された。

一方、反対派からは「発言は選挙戦略として意図的な炎上を狙ったものだ」「過激な発言で保守層を動員し、SNSでの認知度を高める手法は危険」といった批判があがり、リベラル層や中立層で共感を集めている。

さらに、「女性の価値を出産に限定し、産まない・産めない女性の多様な生き方や社会貢献を否定している」「個人の選択の自由を無視した時代錯誤の発言だ」といった声も強く、知念実希人(ちねん みきと)氏など医療専門家や女性層からの批判が上がった。また、「高齢女性や出産に関わる人々を不当に傷つけ、社会の分断を煽る」として問題視する意見も見られた。

厚生労働省の「人口動態統計」(2022年)によると、第1子出生時の母親の平均年齢は30.9歳と上昇傾向にあり、晩婚化や晩産化が進む中、女性の出産以外のキャリアや生活選択が尊重されるべきとの意見も広がっている。

「女性の価値を出産に限定し、産まない・産めない女性の多様な生き方や社会貢献を否定している」といった批判に、神谷氏は少しずつ医療も発達し高齢出産も可能になってきているとしながらも「生物学的に女性はどこかで限界が来る。適齢期に子供が産める世代の女性に一人でもたくさん産んでもらえば出生率が上がっていく。そういう物理的、生物学的な話をしただけだ。(出産の限界は)何歳とか、そういうのはない」と語っている。

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