中国北京市でスパイ行為に関与した疑いで拘束されていたアステラス製薬の日本人男性社員について、北京市の第2中級人民法院(地裁)は7月16日に判決を言い渡す予定であることが明らかになった。共同通信などが報じた。
外務省によれば、この男性は2023年3月に中国当局により拘束され、同年8月にスパイ罪で正式に起訴された。その後、同年11月に初公判が開かれている。中国側は2025年7月9日、日本大使館に対して判決公判の日程を通知した。判決には日本大使館の職員が傍聴する予定である。
男性の具体的な起訴内容については、現時点で公表されていない。アステラス製薬の社員であるこの男性は、日系企業で構成される中国日本商会で要職を務めた経験があるとされている。
この事件に関連し、日本政府は石破茂首相が2024年11月、南米ペルーで中国共産党の党首・習近平と初の日中首脳会談を行った際、男性を含む中国で拘束中の日本人の早期釈放を求めたが、現時点で実現には至っていない。
中国政府は国家安全の維持を重視し、外国人への監視や社会統制を強化している。今回の判決が日中関係に与える影響についても注目が集まっている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。