激変する中国 「四通橋事件」から2年。守っているのは権力のメンツか、それとも恐怖に怯える体制か

北京市内に広がる異様な監視 兵士たちはなぜ橋を守る?【動画】

2025/07/15 更新: 2025/07/15

2022年10月、北京「四通橋」で彭載舟(ほう・さいしゅう/本名・彭立発)氏が「封鎖ではなく自由を」「嘘ではなく尊厳を」「指導者ではなく選挙を」「奴隷ではなく公民を」…「独裁の国賊 習近平を罷免せよ」など、現代中国人の切実な叫びを書いた抗議の横断幕を掲げた。世界を震撼させた「四通橋事件」である。

単身でのこの行動は、後の「白紙革命」の引き金となり、彼は「四通橋の勇士」として抵抗の象徴となった。事件から2年、彭氏は獄中にあるが、その抗議が呼び覚ました若者たちの反発は、今なお消えていない。

 

2022年10月13日正午ごろ、北京の陸橋「四通橋」に掲げられた、中国共産党政権へ抗議するスローガン(SNSより)

 

この事件を境に、新たな民衆蜂起の可能性に怯えた当局は、北京市内の橋に民間の監視員を常駐させる異常な警備体制を敷いた。

だが今年7月からは、橋の上だけでなく橋の下にも武装警察や公安が配備され、昼夜を問わずパトロールが繰り返されている。その光景がSNSに投稿され、「政権末期の証だ」との声も飛び交った。

 

(橋を守る兵士たち、2025年7月)

 

事件から2年。彭氏の叫びは、若者たちの心に火を灯し、沈黙を強いられた社会に今も反響し続けている。引き継がれたその意志は、消えることなく脈々と生きている。
 

「第二の四通橋事件」。湖南省婁底市の陸橋に掲げられた現政権批判の横断幕、2024年8月(SNS投稿動画よりスクリーンショット)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
関連特集: 激変する中国