中国 警察が動いたその日にも新たな契約が成立 形だけの入札と傲慢な謝罪に市民の怒り噴出

腐った給食問題の業者 警察が捜査発表の同日に新たな受注か=中国・上海

2025/09/29 更新: 2025/09/29

中国・上海の小中学校で相次いで発覚した給食の腐敗問題をめぐり、供給会社「上海緑捷(りょくけい)実業発展有限公司」に対し、公安当局が正式に捜査を開始した。ところが同じ日に、同社が新たに学校給食の契約を獲得していたことが明らかになり、市民からは「茶番だ」との批判が噴出している。

9月23日、当局は同社が食品安全情報を隠蔽した疑いで捜査を開始したと発表した。しかしその直後、同社が別の学校食堂を新規に受注していたことが判明し、ネット上では「入札は形だけで、最初から業者が決まっているのではないか」との批判が殺到した。さらに「後ろ盾が強すぎる」との指摘も相次ぎ、政府との癒着や独占的地位による優遇ではないかとの不信が広がっている。

同社が発表した「謝罪声明」はわずか50字足らずで、原因や改善策への言及は一切なく、「史上最も傲慢な謝罪」と非難された。加えて、同社と給食の検査を担う会社が同一のメールアドレスを使用していたことも発覚し、監督体制そのものへの不信が一層強まっている。

一方、市内の多くの学校では給食利用が強制され、弁当持参や外食は禁止されている。ごく一部の子どもだけが医師の診断書を提出して校門前で弁当を食べており、その姿がSNSで拡散され「子どもを人質にしている」との悲痛な声が広がった。

形だけの入札、形だけの謝罪。共産党が統制する国家では日常茶飯事のことであり、市民は皆それを知っており、皆怒っている。だが何もできない。どうすることもできない無力感と怒りは、確実に市民の心の中に積み重なっていく。そしてそれはやがて、中国共産党(中共)体制への不満となって燻り続けるだろう。

 

学校前で弁当を食べる子どもたち。上海市内では給食の利用が強制され、弁当や外食は禁止されている。わずかに医師の診断書を提出した児童だけが校門前で食事を許されている。(映像よりスクリーンショット)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
関連特集: 中国