中国共産党政権の建国76周年を迎え、威信を誇示するはずの軍の祝賀図は、よりによって米軍F-22を主役に据える大失態となった。
図の中央に描かれていたのは、自慢の殲-20ではなく「世界最強のステルス戦闘機」と呼ばれるF-22「ラプター」だった。さらに上空には旧ソ連製ミグ29の影まで舞い、結果は「どこの空軍かわからない」寄せ集めの図となった。
この失態をやらかしたのは民間広報などではない。中共軍の落下傘兵による降下作戦を担う空挺部隊が運営する公式ウェイボー(微博)アカウント「私たちの空(我們的天空)」である。つまりは、精鋭部隊の看板アカウントが、建国記念日の晴れ舞台で「米軍機を讃える」という、前代未聞の失態をさらしたのだ。
問題の画像はすぐに削除されたが、ネット上では「誇るべきは自国の戦闘機ではなく憧れのライバル機か」「世界に示したのは国力ではなくアメリカへの片思いだった」「心はアメリカにある証拠だ」といった失笑と皮肉の声が相次いだ。
実際、中共軍の「失態」は一度や二度ではない。2011年には、国営テレビが放送した「東風ミサイル発射映像」に、よりによってアメリカ映画『トップガン』の戦闘シーンを切り貼りして混ぜ込んでいた。国威発揚のはずが、米軍機の空戦シーンを借用するという前代未聞の珍事に、ネット民から「頼ったのは自国軍ではなくハリウッドか」と笑いの種にされた。
2016年には、軍の公式ポスターに描かれた殲-10戦闘機が、実は同じ画像をコピー&ペーストで量産しただけと判明。「人民解放軍の最強兵器はフォトショップ」という皮肉が拡散された。
2018年になると、海軍が「最新型潜水艦」として誇らしげに公開した写真が、あまりにも不自然な波しぶきで合成バレ。軍事ファンからは「この潜水艦は泳げないからCGで浮いているのか」と失笑を買った。
2019年の建国パレードでは、ステルス戦闘機・殲-20がお披露目されたものの、性能は一切示されず、外形だけが米軍機そっくり。観衆から「模型ではないか」と疑われ、海外メディアにも「張りぼて疑惑」と報じられた。
さらに2021年には、建国イベントで飛ばした最新型ドローンが制御不能となり、観衆の目の前で無惨に墜落。最新技術ではなく「自爆芸」を披露する羽目になった。
そして極めつけは今年の建国76周年の祝賀図だ。主役として描かれたのは自慢の殲-20ではなく、米軍のF-22ラプターだった。上空に浮かんでいたのは旧ソ連製のミグ-29という「ごった煮構図」。世界に配られたのは威信ではなく、赤っ恥そのものだった。
来年の10月1日には、果たしてどんなネタを提供してくれるのだろうか。
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