中国共産党(中共)中央軍事委員会副主席の張又俠が拘束され、北京の政局は再び緊張が走っている。オーストラリア在住の法学者、袁紅冰氏は、太子党(中共元最高指導者や高級幹部の子息)の劉源、鄧樸方がすでに北京政界を通じて、習近平に挑む姿勢を示していると明らかにした。
袁紅冰氏は「看中国」に対し、習近平が張又俠に手を下したのは、体制内部に対する極めて苛烈な粛清だと明かした。中共上層部の目には、これは自らの力を弱める行為と映っているという。袁氏は、これは権力への不安に駆られた全体主義的支配者に繰り返し現れる典型的な心理の表れだと述べた。
袁氏は中共体制内部の情報として、張又俠が拘束された理由は、劉振立と手を組み、軍高層の人事権を掌握しようと習近平に詰め寄ったためだと語った。この動きを巡り、劉源や鄧樸方ら太子党の家族は、2027年に開かれる中共21回党大会で政治提案を提出する準備を進めているという。
袁氏によると、この提案の中核は、中共の路線を劉少奇が提唱した「新民主主義理論」と、鄧小平のいわゆる「改革開放路線」に戻り、文化大革命の路線を再び歩むことに明確に反対する点にある。
提案ではさらに、現在7人いる政治局常務委員のうち、少なくとも蔡奇、趙楽際、李希の3人が文化大革命期の造反派であり、四人組の残党だと名指しする内容が盛り込まれるという。
袁紅冰氏はまた、劉源と鄧樸方が政界で私的に発言し、文化大革命では劉少奇と鄧小平が「資本主義路線を歩む権力者」として糾弾されたが、もし習近平が本当に[文化大革命2.0」を断行する度胸があるなら、再びこの2人を資本主義路線を歩む権力者として断罪すべきだと述べたと明らかにした。
袁氏は、鄧小平一族が象徴するのは、鄧小平、江沢民の時代に形成された特権資本の利益集団だと指摘した。これらの紅い家族は、習近平による権力の独占に以前から強い不満を抱いているという。
同時に、習近平が台湾への軍事侵攻に踏み切った場合、海外に保有する巨額資産が西側諸国によって凍結、あるいは没収される可能性を深く懸念しているとも述べた。
太子党による公然たる挑戦を前に、袁紅冰氏は、習近平が現在、進むも退くも難しい状況に置かれていると分析する。一方では、劉源や鄧樸方が習近平の権威を露骨に軽視しており、これは21回党大会での続投に直接影響する。しかし他方で、習近平はこれら2つの家族に全面対決を挑む決断ができず、鄧小平路線を公然と否定することにも踏み切れていないという。
袁氏は、習近平が張又俠と劉振立を拘束したものの、個人独裁の危機はかえって露呈したと指摘する。20回党大会後に構築された軍事委員会の体制は、すでに実質的に崩壊しており、さらに苗華系、何衛東への粛清も重なった結果、習近平が自ら抜擢した将軍が次々と失脚し、軍内部ではすでに人心が動揺しているとみられている。
袁紅冰氏は最後に、習近平が最近、同じ日にプーチン氏、トランプ氏と相次いで電話会談を行った背景について、単なる外交目的ではないと指摘した。対外環境を先に安定させ、ロシアとの関係を引き寄せ、米中関係を緩和することで、国内の軍心を引き締め、官僚、社会の不安を抑え込み、この権力危機を何とか乗り切ろうとしているとの見方を示した。
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