第55回太平洋諸島フォーラム(PIF)がパラオで開かれている。中国共産党(中共)政府は台湾代表団の出席に強く反発し、「結果を招く」と警告した。これに対し、オーストラリアとニュージーランドは、会議への招待はPIFが判断することであり、外部の国が指図すべき問題ではないと反論した。中国は台湾を自国領土の一部とみなし、台湾の国際会議への参加に反対している。
中国は台湾を統治したことがないものの、台湾との統一を目指す方針を掲げ、台湾が国際会議に参加することにも反対してきた。中台関係をめぐる緊張は、PIFの年次会合でもたびたび焦点となっている。同フォーラムは、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋島しょ国を含む18の加盟国で構成される。
今年の開催国であるパラオは、太平洋島しょ国の中でも台湾と外交関係を維持する数少ない国の一つである。
台湾はPIFの正式な「対話パートナー」ではなく、「開発パートナー」と位置付けられている。対話パートナーには、米国、EU、英国、カナダ、インド、日本、中国など、計21か国・機関が含まれる。パラオは今回、台湾の林佳龍外交部長をフォーラム関連行事に招待した。台湾は1993年以降、PIFの開発パートナーを務めている。
中国、台湾代表団の出席に反発 豪州・NZが反論
台湾代表団は8月31日、PIFの開会式に出席した。中国の太平洋島しょ国問題特使である銭波は開会式後、台湾代表団の今回の出席は「結果を招く」と述べたが、具体的な内容には言及しなかった。
銭波は、これは脅しではないとした上で、「皆が反対していることであり、本来あってはならなかった。極めて不適切だ」と記者団に述べた。
一方、開催国パラオのスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領は演説で、次のように述べた。
「私たちはパートナーと共に航海することを歓迎する。しかし、どこへ向かうかは私たち自身が決める」
ウィップス氏は中共政府を公然と批判してきた。開会式前日の8月30日には、中国が台湾問題をめぐってパラオに圧力をかけようとしていると述べ、「私はいじめには屈しない」との考えを示した。
9月1日、アルバニージー豪首相も中国側の反発に対し、首脳会議にどの国・地域を招くかはPIF自身が決めることだと反論した。
「ここで何が行われるかを決めるのは太平洋諸島フォーラムであって、ほかのいかなる国でもない」
台湾代表団の出席が会議本来の議論から関心をそらすのではないかと問われると、同首相は、太平洋の「家族」と位置付けるPIF加盟国との協議に集中していると述べた。
ニュージーランドのウィンストン・ピーターズ外相も、PIFは外部の国の指図を受け入れないとの考えを示した。
首脳5人が欠席 PIFの結束に影響するとの懸念
今回の会議では、フィジー、バヌアツ、サモア、ソロモン諸島の首相に加え、キリバスの大統領も首脳会議に出席せず、代わりに閣僚級の代表を派遣した。複数の首脳が欠席したことで、会議の結束や成果に影響が及ぶのではないかとの懸念も出ている。
オーストラリア放送協会(ABC)によると、ピーターズNZ外相は、一部首脳の欠席の背景に外国による介入があった可能性について、「強い疑念がある」と述べた。ただし、中国を名指しすることは避け、ニュージーランドとして非難する前に事実関係を確認する必要があるとの考えを示した。
中国外務省の報道官は、ピーターズ氏の発言について、「全く根拠がない」と反論した。
中国のミサイル発射にも言及 豪首相が「挑発的」と批判
アルバニージー首相は、中国が7月に行った弾道ミサイル発射にも言及した。
「われわれは、それが受け入れられない行為であることを明確にしてきた。友好国の行動とは言えず、挑発的かつ不適切な行為だ。われわれだけでなく、ほかの太平洋諸国も立場を明確にしている」
同首相は、中国の行動について、オーストラリアと複数の太平洋諸国が懸念を表明してきたとの認識を示した。
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