米スーパーマーケットチェーン大手ウォルマートの中国の複数店舗で、従業員が新たな労働時間制の実施に抗議し、7月1日から3日までストライキを行った。
複数のメディアによると、ウォルマート中国は今年5月に新たな労働時間制度を実施した。従来の制度では、全従業員の1日の労働時間は8時間、週5日出勤、毎週の労働時間が40時間となっていた。新制度では、1日の労働時間は4~11時間、週3~6日の出勤、毎週の労働時間20~66時間に変更され、毎月の労働時間は174時間に増えた。
これに対し、中国江西省南昌市にあるウォルマート店舗の従業員が今月1日から抗議活動を始め、その後、南昌市にある別の店舗や四川省成都市と黒竜江省ハルビン市の三つの店舗に広がった。ストライキは4日に一時中止した。
7日付英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、これまで中国で起きた労使紛争は一部の地域に限られていたが、ウォルマート中国の各地の従業員が同時にストライキを行ったのは、前例のないことだとの専門家の見解を引用し、このような全国的に組織されたストライキは、過剰生産削減の一環で数百万人の労働者を解雇しようとする中国当局にとっては最も恐れていた事態だと指摘した。
同報道によると、ストライキが各地に広がった背景には、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)アプリ微信(ウィチャット)を利用する従業員が多かったことが挙げられる。現在、微信においてウォルマート中国の従業員によって形成されたチャットグループ数は40で、全ウォルマート中国従業員数の約5分の1にあたる2万人が利用しているという。
ウォルマート中国の公式ウェブサイトによると、ウォルマートは現在中国169の都市において433店舗を展開している。
(翻訳編集・張哲)
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