ベトナム各地では10日、特別経済区建設などをめぐって、中国マネーの流入に反対する市民が大規模な抗議デモを行った。英紙フィナンシャルタイムズなど複数のメディアが11日伝えた。
ベトナムのソーシャルメディアに投稿された書き込みや写真によると、同国首都ハノイと南部都市のホーチミン市など各地で、デモ参加者が横断幕を掲げ、「中国は出ていけ」「中国は要らない」などとスローガンを叫びながら、進行した。
同国政府は、北部や中部と南部のフーコック島で特別経済区の建設を計画しており、外国人投資家に対して99年間の土地租借を認可する。
FT紙によると、現地住民は中国による99年間の土地租借を認めれば、ベトナムの主権が侵害される可能性があるとして反対を示した。ベトナム政府は、住民らの抗議を受けて、特別経済特区設立をめぐる関連法案の立法を延期することにしたという。
ベトナムと中国は、南シナ海の一部の島に関してそれぞれ領有権を主張しているため、ベトナムでは近年、反中感情が高まっている。
2014年5月、同国各地では、中国企業の南シナ海での石油掘削活動に抗議する大規模なデモが発生した。抗議者らはその後、暴徒化し、中国系や台湾系の店舗を破壊し、放火した。一部のメディアによると、抗議デモの影響を受け、約16人の中国人が死亡した。
(翻訳編集・張哲)
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