米映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」、中国で公開中止

2019/10/21 更新: 2019/10/21

中国当局は、米人気俳優レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが出演する新作映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の公開を中止したことが分かった。米誌「ハリウッド・リポーター」が18日に報道した。

報道によると、当局は一時、同映画の公開を承認したが、最近になって撤回したという。同作品は米有名監督クエンティン・タランティーノ氏の最新映画で、1960年代後半の米ハリウッド映画界を描いている。今月25日に中国で公開される予定だった。

中国当局は公開中止について説明しなかった。

「ハリウッド・リポーター」によると、中国系カンフースターのブルース・リーの家族が同映画の中でのリーの描写について強く抗議している。情報筋が同誌に提供した情報では、リーの娘が「父が傲慢で無礼に描かれている」として、中国の映画検閲当局である国家広播電影電視総局電影事業管理局に訴え、製作側にリーのシーンの変更を求めた。

同映画は7月26日、米で上映されてから、世界各国で約3億6600万ドルの興行収入を獲得した。中国で公開すれば、総収入が4億ドルを突破するとみられた。

「ハリウッド・リポーター」19日付は、タランティーノ監督は、中国当局のためにシーンのカットなどの「編集をしない」と明言したと伝えた。

中国当局は2012年にも、同監督の作品である『ジャンゴ 繋がれざる者』の中国公開を公開当日に中止した。当時も取りやめた理由について示さなかった。

「ハリウッド・リポーター」は、中国当局は国内外の映画作品に対して審査や検閲を厳しくしていると指摘した。当局は今年、国内著名映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)氏と管虎(クワン・フー)氏の最新作の出品を相次いで取り下げた。

いっぽう、中国当局は1997年、若きダライ・ラマやチベット動乱、中国軍によるチベット人虐殺を描いた映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』で主演を務めた俳優ブラッド・ピットに対して中国への入国を無期限に禁止していた。2016年、同氏の中国訪問が初めて承認された。

(翻訳編集・張哲)

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