オーストラリアのペイン外相は、南太平洋の島国ソロモン諸島が中国と安全保障協定を締結することに関して「透明性が欠けているとの懸念がある」と発言した。
ペイン氏は16日、オーストラリア放送協会(ABC)の番組で、ソロモン諸島が中国と安全保障協定を締結しても豪・ソロモン間の安全保障協力を継続する考えを示した。その上で中国・ソロモン間の安保協定が「透明性を欠いているとの懸念がある。太平洋諸島フォーラムでより広範に議論されるべきだ」と指摘した。
ペイン氏は、ソロモンのソガバレ首相から国内で中国軍基地の建設は容認しないとの確約を得たことにも言及した。これはモリソン豪首相やゼッド・セセリャ太平洋相と共にソガバレ首相と協議した結果だと述べ、「非常に重要な保証だ」と強調した。
いっぽう、SNSに流出した協定の草案とされる文書には、中国艦艇の寄港や物資補給を認めるなどの内容が含まれており、近隣諸国は安全保障協定の詳細について議論するよう求めている。
ソロモン諸島では昨年、同国が推進する親中政策をめぐり、ソガバレ首相の退陣を求めるデモが勃発した。チャイナタウン襲撃事件が発生し、一部のデモ隊は議会に侵入した。ソロモン諸島は2019年、台湾と外交関係を断絶し、中国と国交を結んでいる。
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