このごろ中国各地では、降雪の影響もあって、病院やスーパーマーケットの屋根が崩落する事故が相次いでいる。ネット上では、いつもながら「おから工事(手抜き工事)」を疑う声がわきおこっている。
公立病院の屋根が崩落
21日の明け方、江蘇省宿遷市の公立病院「第一人民医院」の外来ホールの屋根が崩落した。
中国メディアが現地政府職員の話として報じたところによると「この病院で崩落事故はあったが、死傷者は出ていない」という。
この病院は、地域もしくは省を代表する全国レベルの総合医療衛生サービスを提供する大型病院である「総合性三級甲等病院」の建設基準に基づいて建てられたものだ。
ネット上では、「ここは建設されてから、そんなに時間は経ってないぞ」「雪は、手抜き工事かどうかを検証できる最高の検査員だな」「幸い事故が起きたのが夜でよかった。もし昼間だったら、どれだけの人が巻き添えになったか。考えただけでもゾッとする」といった声が上がっている。
(外来ホールの屋根が崩落した、江蘇省宿遷市の「第一人民医院」)
同市では、野菜を育てる農業用ビニールハウスも大雪で倒壊していることが現地ユーザーの投稿で明らかになった。
スーパーマーケットの屋根も落ちた
同じく21日の朝8時過ぎ(現地時間)、湖北省随州市にあるスーパーマーケットの屋根も崩落した。
中国メディアによると、崩落時は雪が降っていたため、店内にいる客は少なかった。崩落事故で下敷きになったレジ係の女性(27歳)は後頭部を負傷したが、後に死亡が確認されたという。死亡した女性は、5歳になる双子の母親だった。
国際放送「希望の声(soundofhope.org)」によると、この時、スーパーの屋根に積もっていた雪はわずか5cmだという。
(大雪で屋根が崩落したスーパーマーケット、湖北省随州市、2024年2月21日。国際放送「希望の声(soundofhope.org)」より)
生鮮市場の屋根まで倒壊
21日の夜6時半過ぎ(現地時間)、山東省青島市の生鮮市場(野菜や肉などを販売)でも屋根倒壊が起きた。中国メディアによると、死傷者は出ていない。
この市場の屋根は鉄筋構造になっていて、昨年に改修工事を終えたばかりだったという。
(昨年、改修工事を終えたばかりの生鮮市場の屋根が、なぜ落ちたのか)
以上3件の屋根崩落事故は、奇しくも同じ日に起きている。
崩落原因に関する公式発表はまだ出ていないが、ネット上ではいつものように「おから工事」を疑う声とともに、「また(当局は)雪のせいにでもするのか?」といった辛辣なコメントが寄せられている。
言うまでもなく、たとえ多めの雪が降ったとしても、通常はそれに耐えられるだけの構造と強度をもっているのが適格な建築物である。「雪のせい」で簡単に屋根が落ちるものではない。
「また雪のせいにでもするのか?」というコメントが寄せられる背景として、このような崩落事故が起きるたびに、現地政府がその原因を「大雨や雪のせい」にしてきたケースがあまりにも多いからだ。
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