[東京 7日 ロイター] – 来年1月の台湾総統選に立候補を予定している野党・民衆党の柯文哲主席は7日、日本との安全保障対話に意欲を示した。国交がない日本と台湾は与党や民間レベルで交流を重ねているが、「日本政府がなかなか踏み出せないのが問題だ」と語った。
前台北市長で外科医の柯主席は、与党・民進党の頼清徳氏、野党・国民党の侯友宜氏と並ぶ主要候補として注目されている。
訪日中の柯氏は都内でロイターのインタビューに応じ、日本と安全保障の直接対話を行うことについて、「可能であれば、ぜひそうしたい」と語った。中国の反発を買う可能性に触れつつも、「刺激してしまうからやらないとなると、もう台湾は何もできない。少しずつ進んでいくしかない」と述べた。
また、中国との緊張が高まる中、柯主席は台湾を自力で防衛するだけの軍事力を築く考えも示した。ロシアの侵攻を受けるウクライナに言及し、「武器の提供などはあるかもしれないが、実際に軍隊を派遣して現地で戦う国は1つもない」、「台湾を自分で戦えるような体制にまで整えたい」などと語った。
一方で、「単独で中国と武力で戦うことは非常に不利だと承知している」とし、抑止力を高めることが必要と説明。「台湾に攻撃、武力行使することはどれだけ代償が大きいかというのを感じさせ、抑制することがポイントだ」と述べた。
F16戦闘機用ミサイルなど米国が力を入れる台湾への武器売却については、「米国がこれを売りたい、これを買いなさいというのに従うのではなくて、我々の需要に従う」とした。
このほか柯氏は、中国の習近平国家主席と会う意向はあるかとの問いに、目的や台湾にとってのメリットを明確にした上で考えたいと述べた。単に会うだけでは「表面的な意義に過ぎない」とし、「どういったメリットが生じるのか、内容は何かを最も重視する」とした。
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