ドイツの情報機関「連邦憲法擁護庁(BfV)」は4月24日、中国共産党(中共)による産業スパイに警戒し、甘く見たり過度に依存したりしないよう企業に警告した。ドイツ政府は企業に対し、中国に対するリスクの露出を減らすよう呼びかけているが、評論家らは多くの企業が長期的な戦略よりも短期的な利益を優先していると指摘している。
警告は、ドイツ検察当局が22日に3人のドイツ人を逮捕したと発表した後に発せられた。3人は中共の国家安全保障部門のために働き、軍事目的に使用できる技術を中国に渡した疑いが持たれている。この事件は、中共のスパイ行為に対する西側諸国の懸念が増していることを示している。
ロイター通信によると、BfVのシナン・セレン副長官は、「パートナーシップやビジネス拠点としてのドイツの保護に関しては、私たちは、他の経済パートナーに対する非常にナイーブで非常に楽観的な態度から、より現実的でおそらくより柔軟で多様な態度に移行しつつあると思う」と述べた。
「中国貿易に対する過度な楽観的・積極的な態度が、実際の企業の破たんにつながった例はたくさんある」 と、中共がドイツ企業のセキュリティに及ぼす影響に関するイベントで発言した。中国企業は完全な民間企業であると主張しているが、実際には中共の国益に忠実であり、それに支えられているという問題を強調した。
中共の最終目標は、2049年までに世界最大の経済大国、技術大国、政治大国になることだ。中共は自らの利益を追求し、そのために必要かつ利用可能なあらゆる資源を利用している。
セレン氏はまた、中共が特に関心を寄せている分野には航空宇宙、ロボティクス、電気自動車、省エネ技術、生物医学、情報技術が含まれると警告している。
ドイツは、強固な産業基盤と中国との緊密な商取引関係がために、中共のスパイ活動から特に脅威を受けている。
セレン氏は、ドイツがスパイ活動による大きな挑戦に直面していると述べた。
中共が軍民両用技術を得るために海外の研究との協力を模索していることから、ドイツの情報機関は、大学の研究成果や新興企業における中共の活動をより厳しく監視することを望んでいる。
ドイツ検察当局が3人のドイツ人を逮捕した事件では、被告らは、2人が所有する会社を利用してドイツの大学と協力協定を結び、中国の契約パートナーのために先端機械部品の研究を行った。このような部品は、軍艦を含む強力な船舶用エンジンの作動に重要なものである。 被告らはまた、中共の国家安全部に代わってドイツから特殊レーザーを購入し、無許可で中国に輸出した。
ドイツ内務省は、この事件が影響を与える分野は、軍事利用が可能なドイツの革新技術であり「特に敏感」だと述べている。
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