中国広西省防城港市の団地で、6月28日午後4時ごろ(現地時間)警備員が勤務する団地に住む男女2人を殺害する事件が発生した。
容疑者で警備員の陳はその場で逮捕されている。現地当局によると、「容疑者の男は被害者の男女と口論となり、ナイフで殺害した」という。
殺害動機については次のような一説がネットに流れており、広くシェアされている。
「殺害された住民はよく電動バイクを迷惑駐車していた。警備員はそのバイクにロックをかけた。怒り狂った住民は警備員室へ乗り込んで大騒ぎを起こし、警備員室に向かって石を叩きつけたりした。さらにその住民はナイフを持って警備員と対峙し、逆に殺されてしまった」
しかも、「住民の電動バイクにロックをかけた警備員は、容疑者の警備員ではない」という。
警備員がすでに地面に倒れている住民の体をナイフでめった刺しにするシーンを捉えた監視カメラ映像もSNSに出回っており、その狂気の沙汰に、見る人は衝撃を覚えざるを得ない。
言行を慎み「薄氷の上を歩くように」
中国では近年、暴走車がわざと人混みへ突っ込むなど「社会への報復」を意図したとみられるような凶悪事件も含め、中国社会に充満する「邪気」がもたらす悲劇は、ほとんど毎日起きている。この邪気を、中国語では「戻気(リーチー)」と呼ぶ。
華人圏のSNSには「今の中国社会は邪気が満ちている。人と衝突を起こすな」といった趣旨の動画はSNS上に様々なバージョンのものがある。どれも「あなたの相手や周囲の誰かが精神的に突然キレて凶悪犯に豹変しないよう、あなたが十分注意しなさい」と呼びかける内容だ。
「偶発的な事件」?
6月24日、同国の蘇州市で、中国人男性によって、日本人の親子が刃物で襲われる事件が発生した。事件は「中共(中国共産党)が推し進めている外国人に対する敵意のプロパガンダと関連している」とする指摘が多く上がるなか、中共の外交部の報道官は翌日、この事件を「偶発的なもの」と表現した。
6月10日吉林省で、米国籍の教師4人が襲撃される事件が起きた際も、中国外務省は「偶発的な事件だ」と説明していた。
今回の団地前での事件に対しても、ネットユーザーから「またしても偶発的な事件が起きた」と揶揄される始末だ。
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