中国では、めでたい言葉に「年年有餘(余)」というのがある。「毎年余りがあるように」、つまり、「毎年お金が足りて余るような状況、貯蓄が増える」という希望を込めている。そして、「餘(余)yu」と同じ発音の「魚yu」の語呂を合わせて、「魚」が縁起物とされている。
そのため、「魚料理」は新年の食卓には必ず出る。しかし、今年、この料理のせいで病院はごった返した。
浙江省杭州市(こうしゅう‐し)にある病院では、大晦日(旧正月、1月28日)の午後6時半から「魚のトゲがのどに刺さった」患者が後を絶たなかった。
同病院「杭州師範大学付属医院」の耳鼻咽喉科の副主任医師・解道宇氏によれば、その日の夜受診した患者は20人、このうち17人は魚のトゲがのどに刺さった人だったという。
「ほとんどの患者はトゲが扁桃腺や舌の付け根に刺さっていたため、ピンセットで取り除くことができたが、中にはもっと深いところに刺さっていた者もいて、その場合は除去するのに内視鏡が必要だった」そうだ。
この病院の夜間外来(2021年開設)は、これまで約3万本の魚のトゲを除去してきた実績を持っているという。
統計によれば、「魚の骨がのどに刺さる」人はほとんど若者と中年で、多くは食べながら話したり笑ったりしているときに「刺さる」そうだ。
解道宇医師は次のように呼び掛けている。
「魚料理を食べるときは特に注意が必要だ、話さず、じっくり噛む」
また、「万が一魚の骨がのどに刺さった時には、代わりの何かを食べて飲み込もうとせず、軽く咳をしたりして吐き出せるかを試してみる。また、魚の骨が見える場合はピンセットを使って自分で取り除くこともできる。自力で吐き出せず、魚の骨も見えない場合は、飲んだり食べたりしないですぐに病院へ行くことだ」 と言う。
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