厚労省 「130万円の壁」対策で企業に最大75万円の助成金検討

2025/02/21 更新: 2025/02/21

厚生労働省は、いわゆる「年収130万円の壁」対策として、従業員の手取り収入の減少を防ぐ企業に対し、1人当たり最大75万円の助成金を支給する方針を固めた。この方針は2025年度中に開始される見込みだ。

「130万円の壁」とは、厚生年金が適用されていない企業などで働く人が年収130万円を超えると、扶養から外れて社会保険料の負担が生じる制度のことを指す。この制度により、多くのパートタイムやアルバイト労働者が年収を抑える「働き控え」をしているという問題が指摘されていた。

厚生労働省は2025年2月20日、自民党の厚生労働部会などの合同会議で、この問題に対する具体的な対策案を示した。この案によると、従業員の年収が130万円を超えても手取りが減らないよう賃上げなどに取り組む企業に対し、1人当たり最大75万円の助成金を支給するとしている。

この助成金は、現行の「キャリアアップ助成金」を拡充する形で実施される見込みだ。現在のキャリアアップ助成金では「106万円の壁」対策として、労働者1人当たり最大50万円が支給されているが、今回の案ではこれを上回る金額となっている。

石破総理大臣は先の国会で、自民・公明両党と日本維新の会による協議が整えば、2025年度中から必要な施策を実施する考えを示していた。厚生労働省は、これら3党の政策協議の状況を踏まえ、最終的な対応策をまとめる方針だ。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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