1月16日に公明党と立憲民主党の一部議員が合流して新党「中道改革連合」が結成され、同19日に綱領や基本政策が発表された。新党は高市早苗政権を「右派色が強い」と批判し、自民・維新連立政権との対決姿勢を明確にしている。
中道改革連合は「生活者ファースト」を掲げ、公明党の理念をベースとした5つの政策の柱を発表した。目玉政策として、食料品の消費税率を恒久的にゼロにすることや、政府系「ジャパン・ファンド」の創設による社会保険料の引き下げを掲げた。
エネルギー政策では原発の条件付き再稼働を容認する現実路線に転換したほか、消費税については高市政権が検討する「時限的」な減税に対し、「恒久化」を打ち出すことで現政権との違いを際立たせた
中道改革連合の安全保障政策の主張は、存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲と位置づけ「専守防衛の堅持」を貫くことを主張し、中国のこうした現在の高市政権や欧米・同志国が進めようとしている「軍事的な抑止力強化による対処」という潮流とは明確に一線を画している。
政府・与党は防衛装備移転三原則の運用指針で認めていた「救難・輸送・警戒・監視・掃海」のいわゆる5類型を撤廃する方向で調整を進めている。
高市政権がこの制限を撤廃するのは、中国共産党政府が東・南シナ海で「力による一方的な現状変更」を試みていることが背景にある。
近年、中国による南シナ海や東シナ海での活動に対して、日本だけではなく、欧米諸国およびオーストラリアなどの国々は国際秩序への挑戦と捉え、強い警戒感を示している。
そうした中、日本もフィリピンに対して警戒管制レーダーを移転済みであり、さらに5類型の撤廃を見据えて防空ミサイルの提供を協議しているほか、オーストラリアとは新型護衛艦の共同開発・生産に向けた調整を進めており、中国の威圧的な行動を抑止する狙いだ。同時に、販路を海外に広げることで国内防衛産業の基盤維持・強化を図る経済的な側面も存在する
また武器輸出について、従来、原則として「非戦闘用」の装備しか輸出できないとしていたが、政府は殺傷能力を持つ兵器(ミサイル、戦車、護衛艦など)の輸出も可能とする、いわゆる「5類型の撤廃」を掲げている。
殺傷能力を持つ兵器の輸出を可能にするため、日本の安全保障政策における平和国家としての従来のあり方を大きく転換するもので、中道改革連合は問題視している。
中道改革連合の主張は、現在の国際的な安全保障のトレンド(警戒感の高まりと軍事連携)からは距離を置いたものとなっている。ネット上では一部のネットユーザーから中共に対して無警戒な姿勢が問題視されている。
今回結成された中道改革連合は、生活者支援や平和主義を掲げ、高市政権の変化にブレーキをかけようとしている。
外国人政策については、石破前政権では無秩序に外国人が不動産を購入し、不動産価格や家賃が急激に高騰したり、夜間の騒音、危険運転、集団での示威行為などによる住民の生活環境が悪化したり、偽装滞在によって高額療養費制度を利用したりするなどのトラブルが急増し、加えて欧州などで見られる社会分断の情報がSNSなどで取り上げられ、外国人への不満が生じていた。
高市政権は一部の外国人による違法行為、ルール逸脱に対する国民の不安から「ルールを守る外国人が住みやすい環境を作る」ためとして、違反者には厳格に対応する姿勢を示し、2026年度中には、外国人が不動産や森林を取得する際、国籍の登録を義務付ける方針を掲げるなど、政府は安全保障や社会統合の観点から、外国人に対する規制強化を打ち出していた。
一方で、2027年度を目処に、外国人の永住許可要件として一定水準の日本語能力を追加する検討が進められている。これは地域社会との共生を目的としたものとされている。
それに対して、中道改革連合の政策は排外主義への対抗を掲げ「多文化共生社会基本法」を制定し、市民に対しては「差別的言動の禁止(ヘイトスピーチ規制)」を、政府・企業に対しては「恣意的な収容や不当な雇用の制限」を課すことで、共生社会の土台を作ることを目指す。
国民の安全を守るための管理と捉えるか、排外主義と捉えるかは政治的立場によるが、左派やリベラル層が懸念する内向きな姿勢の強まりは、政策として現れているといえる。
高市政権の政策が批判に値するかは、強力な抑止力と厳格な管理による安全を望むか、それとも対話による平和外交と寛容な社会を望むかという価値観の選択に委ねられている。今回の新党結成により、来たる総選挙に向けた選択肢が明確になったといえるだろう。
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