日中航空便の減便続く 日本行き2315便欠航 関係改善見えず

2026/09/02 更新: 2026/09/02

日中間の航空往来は、依然として回復の見通しが立っていない。両国関係も短期的な改善は見込みにくい状況だ。

航空便の統計によると、8月は日中間の18路線で1か月を通して1便も運航されず、中国本土発日本行きの1120便が欠航した。7月の1195便と合わせると、2か月間で計2315便に上る。政治的な摩擦が、両国間の往来に引き続き影響している。

8月5日、政府は2026年版「防衛白書」を公表し、中国を日本が直面する「最大の戦略的挑戦」と位置づけ、中共軍の日本周辺での活動が増えていると指摘した。

中国共産党(中共)外務省は同日、日本側が中国を口実に軍備を拡大していると反論し、軍備拡大の口実にするのをやめ、「誤った道をこれ以上進まないよう」求めた。

中共の外交関係者は、今年中に日中関係が改善するのは難しく、来年も今年と同様の対立が続くとの見方を示した。関係改善の兆しは見えず、日本側も長期化を念頭に対応しているという。

中国メディア「第一財経」は9月1日、航空データサービス「航班管家DAST」の最新統計として、8月の中国本土発日本行き便の欠航率が30.1%に達し、2か月連続で3割を超えたと報じた。1か月を通して運航がなかった路線は18路線で、7月から6路線増えた。

7月は日中間の12路線で予定便がすべて欠航し、日本行き1195便が欠航した。欠航率は31.4%だった。

8月の欠航率は7月から1.3ポイント低下したものの、1か月を通して運航がなかった路線は12から18に増えた。

日本行き18路線で全便欠航

8月に全便が欠航した日中路線には、瀋陽―関西、杭州―中部、上海浦東―新潟、武漢―成田、重慶―関西、上海浦東―茨城、広州―中部、大連―中部のほか、上海浦東―岡山、小松、静岡、長崎などが含まれる。

中国の旅行予約サイト「携程(Trip.com)」の予約システム担当者、王氏は記者に対し、最近は上海や北京から日本へ向かう旅行者が明らかに減る一方、韓国やベトナムなどを訪れる人がやや増えていると話した。特に学生の夏休み期間にこうした傾向が目立った。

王氏は、「今は政府が日本への渡航を勧めていない。出国時に止められるのではないかと不安に思い、日本へ行くのをためらう人も多い。日本へ行こうとして出国審査で呼び止められ、『日本は安全ではない』と言われたらどうするのか、ということだ」と語った。

このほか、青島―成田、西安―成田、福州―那覇、福州―関西、北京大興―関西、厦門―関西でも、8月に予定されていた全便が欠航した。

このうち、北京大興―関西線は当初93便、瀋陽―関西線と厦門―関西線はそれぞれ31便の運航を予定していたが、実際には1便も運航されなかった。

18路線には、中国の主要都市や省都が多数含まれ、目的地も東京、大阪、名古屋に加え、日本各地の地方空港に及んでいる。

便数の削減であれば、便の統合や使用機材の変更などで対応できる。一方、1か月間にわたりその路線で1便も運航されない場合、両都市間の直行便が事実上途絶えたことになる。

8月は夏休みの旅行シーズン後半にあたるが、それでも18路線で運航便数がゼロとなった。

旅行業界関係者の李青さんは、「日中間の航空市場が旅行シーズンに入っても回復していないことを示している。航空・旅行業界への打撃は小さくない」と語った。

今夏の日中便、前年同期から半減

国土交通省が公表した2026年国際線夏季スケジュールによると、3月29日から10月24日までの日中路線は週597便で、前年同期の1279.5便から約53%減少。

日中路線の大幅な減便は、両国関係の悪化を受け、2025年11月ごろから始まった。

高市早苗首相は当時、台湾海峡情勢について、戦艦を使用し武力行使を伴う場合は「存立危機事態になり得る」との認識を示した。

これを受け、中共は中国人に日本への渡航を控えるよう呼びかけ、中国の複数の航空会社も日本行き航空券について、変更・払い戻しを無料とする措置を打ち出した。

今年1月、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空は、日本路線を対象とした無料の変更・払い戻し措置を10月24日まで延長した。

ロイター通信は当時、この措置について、両国間の外交対立が続いていることの表れだと報じた。

中共、航空・観光を対日圧力に利用か

中国本土の学者、袁凱さん(仮名)は、中共が以前から観光や航空便、経済・貿易交流を外交圧力の手段として利用してきたと指摘した。

「政府は具体的な指示を公表していないが、狙いは明らかだ。中国人観光客による日本の観光収入を減らし、日本国内から政府への圧力を強めようとしている。ただ、思惑通りには進んでいない。中国が国民の日本旅行を抑えても、日本の観光業が大きな経済的打撃を受けているようには見えない」

統計によると、日本を訪れた外国人旅行者は7月に344万2千人となり、7月として過去最多を記録した。韓国、台湾、香港からの旅行者はいずれも増加した。

葉子龍
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