【歌の手帳】船はとどめむ
夏麻引く海上潟の沖つ洲に船はとどめむさ夜ふけにけり
【歌の手帳】音もせで
音もせで思ひに燃ゆる螢こそ鳴く虫よりもあはれなりけれ
【歌の手帳】夕顔の白く
夕顔の白く夜の後架に紙燭とりて
【歌の手帳】たらちねの母
垂乳根の母が釣りたる青蚊帳を清しと寝つたるみたれども
【歌の手帳】夢の枕ににほふ橘
かへりこぬ昔を今と思ひ寝の夢の枕ににほふ橘
【歌の手帳】千代に八千代に
わが君は千代に八千代に細れ石の巌となりて苔のむすまで
【歌の手帳】五月雨のころ
都だにさびしかりしを雲はれぬ吉野の奥の五月雨のころ
【歌の手帳】五月待つ
五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
【歌の手帳】御仏なれど
鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな
【歌の手帳】十五の心
不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心
【歌の手帳】鶴に身をかれ
松嶋や鶴に身をかれほととぎす
【歌の手帳】生まれる前に来ていた
木陰にてバスを待ちおり洛陽は生まれる前に一度来ていた
【歌の手帳】夏の夜の
夏の夜の臥(ふ)すかとすれば時鳥(ほととぎす)鳴く一声に明くるしののめ
【歌の手帳】むかし思ふ
むかし思ふ草の庵の夜(よ)の雨に涙なそへそ山ほととぎす
【歌の手帳】吉原の太鼓
吉原の太鼓聞こえて更くる夜(よ)をひとり俳句を分類すわれは
【歌の手帳】若葉して
若葉して御目の雫(しずく)ぬぐはばや
【歌の手帳】多摩川に
多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの児のここだかなしき
【歌の手帳】心して吹け
われこそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け
【歌の手帳】枝は折るとも
よそに見て帰らむ人に藤の花這いまつはれよ枝は折るとも
【ショート・エッセイ】 子規門下の二人
【大紀元日本2月13日】 赤い椿 白い椿と落ちにけり 碧梧桐 河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)が正岡子規の最期をみとったのは明治35年(1902年)であった。正確に言えば、子規の他の門人たちと
【バンクーバー通信】2009年バンクーバーさくら祭り「俳句」の募集
【大紀元日本12月2日】もう恒例となったバンクーバーさくら祭りの実行委員会(VCBF)は世界中の桜を愛する皆様からの英文俳句を募集しています。 2006年に始まったこのさくら祭りでは、この俳句インビ
【バンクーバー通信】桜まつりで「俳句コンテスト」
【大紀元日本3月30日】3月25日、今にも雪が降りそうなどんよりした天気の中、3年目となるバンクーバー桜まつり「チェリージャムダウンタウン」が、ダウンタウンのスカイトレインバラード駅内で、ちび太鼓、
「千山 鳥飛ぶこと絶え」~冬至に寄せて~
【大紀元日本12月22日】柳宗元【江雪】千山鳥飛絶萬径人蹤滅孤舟蓑笠翁独釣寒江雪[書き下し文]千山 鳥飛ぶこと絶え万径 人蹤(じんしょう)滅す孤舟 蓑笠(さりゅう)の翁独り釣る 寒江の雪[現代語訳]
「霜葉は二月の花よりも紅なり」-短歌募集を兼ねて-
【大紀元日本12月19日】先日ふらりと奈良公園を訪れてみると、ついこの間まで真っ赤に色づいていた木々がすっかり葉を落とし、寒々とした冬景色に替わっていました。それもそのはず、とっくに「大雪」(12月
過ぎ行く秋に思う-俳句募集をかねて-
【大紀元日本11月30日】中唐の詩人・張籍(ちょうせき、766?-830?)は、秋の気配に家族への思いをつのらせ、次のような詩を詠みました。張籍 【秋思】洛陽城裏見秋風欲作家書意万重復恐怱怱説不尽行
ち球を俳句ing 雪解けの『漢俳』の春
【大紀元日本5月29日】1980年に漢俳という詩形が、中国で誕生しました。中華詩詞学会と日本の俳句界との記念すべき第1回交流の歓迎宴の席上で、挨拶に立った超朴初氏が自作の『漢俳』を披露したのが、この