台湾陸軍は28日、中国本土に近い東引島上空を飛行していた所属不明の無人機に対し、信号弾による警告射撃を行ったと発表した。台湾では25~29日の日程で陸海空軍が参加する大規模な軍事演習「漢光演習」が行われており、無人機は台湾軍の陣地を偵察していたと見られている。
台湾陸軍は、無人機が台湾の管轄領域の上空を2度通過していたと指摘。警告射撃は所定の手続きに基づく対応であり、無人機に警告し、空域から離脱させるための措置だと発表した。
「漢光演習」は中国軍の侵攻を想定したもので、陸海空軍による実弾射撃も行われる。26日の台湾東部沖で行われた海軍と空軍の合同演習では、主力戦闘機の「経国(IDF)」や「F16V」及び各種海軍艦艇が展開し、対空戦闘や対潜水艦戦闘の訓練を行った。蔡英文総統は「演習を通して台湾軍は故郷を守る能力と決意を示した。Good Job(良い働きであった)」と部隊を鼓舞した。
中国共産党の台湾に対する軍事的圧力が高まるなか、台湾では軍事侵攻に対しる備えを強化している。今年の漢光演習では離島防衛や上陸作戦の撃退訓練、サイバー戦などが行われた。中国軍が上陸用舟艇などを用いて、台湾の政府中枢に対して直接攻撃する作戦への対応として、水雷の敷設や即応部隊による演習も行われた。
台北市などでは25日、空襲を想定した民間の防空演習も行われた。例年より規模を拡大し、台北市の12の行政区域とすべての公共交通機関、商業施設、政府機関が対象となった。市長の柯文哲(か・ぶんてつ)氏は「国防は全国民に関わること」であり、「平時でも有事の備えは欠かせない」と強調した。
中国軍機による頻繁な挑発飛行やロシアによるウクライナ侵攻に触れ、「平時でも有事の備えは欠かせない」と強調した。
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