国民民主党の前原誠司代表代行をはじめとする超党派訪問団は3日、台湾の蔡英文総統と頼清徳副総統とそれぞれ会談した。前原氏は、武力による一方的な現状変更に反対する台湾の考えを「支持する」と述べ、台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)加入に向けて協力していく考えを示した。
前原氏は経済安全保障の観点から、サプライチェーンの安定を維持することは極めて重要であるとし、TSMC熊本工場の建設に歓迎を示した。権威主義的国家の圧迫に抗い、普遍的価値観を共有する国々が協力することは、地域の平和と安定に不可欠だと指摘した。
蔡英文氏は日本を「重要な民主主義の盟友」と称え、天災やパンデミックに直面した時は相互に助け合うことで「善の循環」を形成したと振り返った。さらに、広島サミットを含む主要7か国(G7)会合において、3年連続で「台湾海峡の平和と安定が国際社会にとって重要」であると強調したことに感謝の意を表した。
日本を訪れた台湾人観光客が既に100万人を超えたことに触れ、今後の日台交流をさらに深化させることに期待を寄せた。
一行は頼清徳副総統とも会談した。前原氏は、感染防止対策で好成績を挙げた台湾が世界保健機関(WHO)に加入できないのは巨大な損失だと指摘した。中朝露の脅威に晒されるなか、日本は自国の価値観を堅持するべく、統合的な抑止力の保有に向けて国防予算を増額させていると述べた。
頼清徳氏は、日台間の貿易総額が過去最高の882億ドルを記録したことに言及し、強い経済的な繋がりを強調した。CPTPP加入に向けた日本の支援に謝意を述べ、日台関係の更なる発展に意欲を示した。
来年1月には、蔡英文総統の任期満了に伴い、台湾総統選が行われる。頼清徳氏は民進党の候補者として参加し、有力候補の一人と目されている。
訪問団は立憲民主党、日本維新の会、国民の3党の有志議員から構成され、2日〜4日の日程で台湾を訪れている。
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