石破茂首相は27日、「新しい資本主義実現会議」において、日本経済を「賃上げと投資がけん引する成長型経済」へ移行するための方針を示した。官民を挙げて国内投資を促進し、特に中堅企業の成長加速や、健康・防災分野などの新たな製品開発を後押しする考えを明らかにした。
石破首相は会議で、現在の日本経済が重要な分岐点にあるとの認識を示した。「ものづくりの強みを生かし製造業が勝ち筋を追求するとともに、地方でサービス業などの生産性向上を実現するといった課題の克服が必要だ」と述べ、経済構造の転換の必要性を強調した。
具体的な施策として、政府は中堅企業の成長を促進するための「中堅企業成長ビジョン」を策定し、支援を強化する方針を決定した。この背景には、中堅企業が地域の投資や雇用の中核を担っているという認識がある。
また、石破首相は今年1月に開催した官民連携フォーラムで、経団連が掲げた野心的な国内投資目標を支持し、2030年度に135兆円、2040年度に200兆円という目標の実現に向けて官民一体で取り組む姿勢を示した。
さらに、健康や防災、ロボットなどの分野を海外需要を取り込める分野として挙げ、日本が「課題先進国」としてこれらの分野で研究開発を促進し、技術・サービスの輸出強化を図るべきだと指摘している。
政府は、これらの目標を達成するため、GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)分野での投資促進、中小企業の生産性向上支援、経済安全保障の強化などの施策を進めている。
石破首相は、これらの取り組みを通じて、日本経済を「コストカット型」から「高付加価値創出型」へ転換し、持続的な経済成長と賃金上昇の実現を目指している。
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