漢字の紐解きシリーズ
漢字の紐解き「徳」
いい人になる要素は?ご高齢の方は「徳の高さ」と答えられることでしょう。
「徳」とは何でしょうか? 老子は『道徳経』のなかで「相手が自分に優しくても意地悪でも、自分は常に優しくあり、相手が正直でも嘘つきでも、自分は常に正直である」と語っています。
「徳」という漢字の構造を分析すると、その定義が浮かんできます。左側の行人偏(ぎょうにんべん)は「行動」を意味します。右側のつくりは「直」と「心」から構成されています。「直」の文字は目がまっすぐ前を向いている様を示す象形文字が変形したものです。これらを合わせた「徳」は、常に正直で、思想にも行動にも思いやりのある品格を示します。
中国語では「徳」も「得」も同じようにdéと発音します。これらの二つの文字の関連はなんでしょうか。善行に満ちた道徳基準の高い生活をしている人は、後世で何かを得ると信じられていたのです。
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