GettyImages

中国語で『湯』は「銭湯」?「飴湯(あめゆ)」?

「銭」ということばは、中国人が見たらきっと、スープ屋さんと勘違いすることでしょう。暖簾(のれん)に「亀の湯」なんて書いてあったら、なおさらです。だって、中国語で『湯』は「スープ」のことなんですから。

「見善如不及、見不善如探湯」(『論語』、善いことだと思えばすぐに行い、善くないことだと思えば、熱湯に手を入れたときのようにすぐさま遠ざかる)という表現にも見られるように、『湯』は中国語でも古くには「お湯」を指しましたが、それがいつの間にか「スープ」を意味するようになりました。

中国には古くから煎じ薬や薬膳スープを飲む習慣があり、「お湯」でぐつぐつ煮込むからでしょう、『葛根湯』とか『人参湯』のように『~湯』と呼ばれました。それが現代では幅広くスープを指すようになったと考えられます。

一方、日本語の「湯」は、「お湯」のほか、「湯を使う」「湯の宿」のように、しばしば「風呂」や「温泉」の意味でも用いられますが、「スープ」の意味はありません。古くには「湯」だけで「薬湯(やくとう)」を表したようですが、今では「葛湯(くずゆ)」とか「飴湯(あめゆ)」といったことばの中に、わずかにその名残りを留めているだけです。

(智)

おすすめ関連記事:【中国語豆知識】「顔色」=「色+色」

 

関連記事
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。